人の体は太陽光を浴びることで骨や歯の生成に必要なリン、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを体内で生成する働きがあります。
太陽光を十分に浴びていないお子さんは健康な骨格が作れません。また、中高年以降の方にとって恐ろしい骨粗しょう症の原因ともなります。歯がもろくなれば虫歯の原因になり、十分な咀嚼ができなくなると栄養の吸収が阻まれて身体全部に悪影響が出ます。
日照時間の少ない地方では「夏場に太陽を十分に浴びていないと冬場に風邪を引きやすくなる」と積極的に日光浴をする習慣のあるところもあるほどです。
さらに最近の研究ではビタミンDはガンの予防に効果的との報告も出されています。
天窓を設けて、高い位置から光を入れています世界的な画家・ゴーギャンがまだフランスにいた頃は彼の絵はそれほど高く評価されていませんでした。
しかし後に南太平洋のタヒチに渡ったゴーギャンはそこで鮮烈な光と色彩の奔流に触れ、その才能を爆発させます。
そう。
光には人に物をよく見えさせる力があるのです。
そして人間が色彩を感知するためにも適度な光が必要です。
光の乏しい部屋ではどんな鮮やかな色彩も色あせて見えます。薄暗い、物陰の多い部屋ではよく失し物をしたりつまづいたりするのも同じ原因です。お年寄りの場合は特にそれが怪我の原因となったりします。
このように、住まいと太陽光の関係は、住む人の気質や行動、健康に大きな影響を与えるのです。
そこで私たちは、家に光を通す様々な工夫を行っています。
その一例をご紹介します。
- 暗くなる空間には、吹き抜けや天窓を設けて、高い位置から光を入れる。
- 中庭を設けて光を入れる。
- 北側の部屋に大きめの窓を高い位置に設ける。
- 部屋同士を区切る間仕切りや出入り口の作り方を工夫する。
- 高窓からの陽射しを、欄間や開け放した引き戸部分を通して届くようにする。
- 敷地に落ちる隣家の影の動きを観察して、日が当たるような家の形、配置にする。
- 日照、通風、自然との関わりのためにも、建物は北に寄せ南面は広くとることが大原則。
- 未成年の子供部屋のカーテンは遮光カーテンを使わず、あえて光を通す普通のカーテンにする。理由は、朝の目覚めを促し体内時計の調整のため。遮光カーテンを閉めると光が差し込まず、一日の時間帯が分からない。生活習慣の乱れや引きこもりを避けるための工夫。
- 制限がない場合は原則、西にキッチンスペースは作らない。 どうしても西に設ける場合は、西日が直接差し込むのを避け、あまり大きな窓は設けない。理由は、台所に強くて熱い西日が差し込むと、熱や火を使って立ち仕事をしている主婦にとっては苦痛となる。また熱とともに汚れた空気がこもりやすい。
昭和40年代頃までに日本で建てられていた住宅の多く(いわゆる文化住宅と呼ばれるものがその代表ですが)は、台所と食堂が一体化した、ほとんど日のあたらない北側に配置してあり、湿った暗い場所でした。
家族が集まるリビングやダイニングはできるだけ光をいれて、明るくする工夫を行っていますそうした環境では家族の会話が弾みにくく、恐らく食事の消化吸収にもよくないでしょう。食卓は家族の団らんと憩いの場であるべき場所。それならば、リビングやダイニングは出来るだけ明るく風通しの良い、すがすがしい環境であるべきです。
そして朝一番に家族が集まる食堂では、朝日の差し込む東側が理想だと考えられます。もしリビングやダイニングが西側に配置してあると、朝から照明をつけての生活スタイルになってしまいますし、真夏などは西日がガンガンあたって奥様にはつらい空間となってしまうことでしょう。
家の間取りを考える際、どうしても家事などの生活動線を優先させてしまいがちですが、太陽光の有効活用と影響も同時に十分に検討しなくては、快適で住みやすい家にはならないのです。
太陽光に関するお問い合せは、
布施勝彦までお気軽にお問い合せ下さい。
